Pattern Language & Presentation Pattern Language Workshop

先日六本木ミッドタウンで行われたセミナー兼ワークショップにいってきました。

新しい時代における「創造的な学び」 というタイトルでSFCの井庭先生によるPattern Language やPresentation Languageを用いた話でした。


Pattern LanguageやPresentation Pattern Languageは元々建築分野の設計計画の手法から始まり、Programingなどにも応用されています。

参考 Pattern Language Wikipedia

井庭先生は教育分野でもこのPattern Languageが使えるのではないかと考え、考え方のPattern LanguageとプレゼンテーションのPattern languageを公開しています。順番としては、Pattern Languageが井庭先生と研究室の学生によって2009年に作られ、Presentation Patternは今年の秋に作られて、先月行われたORF2011(SFCの公開研究発表会)で発表されました。その後、Gigazineに紹介されているので、ご存知の方も多いのではないかと思います。
このLearning Pattern が生まれた背景として、井庭先生は社会の動きが
Consumption(過去)→Communication(現在)→Creation(将来)
に変化していくと考えているようです。Creation SocietyとはCommunication Societyで生まれた無数のコミュニティーの中から新しいものが生まれてくる社会を意味します。
創造社会にとって必要なもの、それは「あらゆる人達が自分達の新しい認識、モノ、仕組みをつくっていく」こと。
新しいものを学習していく時に Pattern Languageを応用できないか、という思いからこのLearning Patternが生まれたそうです。

●Workshopの進め方
1.テーマに沿い、Learning Pattern とPresentation Patternから該当する項目をピックアップする。
今回のテーマでは海外留学や海外で働くことをテーマにしていました。そのテーマに基づき井庭先生がLearning Patternの中から18項目Presentation Patternの中から12項目 計30個の項目をピックアップします。(Learning PatternとPresentation Patternについてはそれぞれダウンロードできます。それぞれの項目の詳細についてはそれぞれのPatternを参照してください。)
以下セミナーで取り上げた全30個です。
Learning Pattern18個
No.1 学びのチャンス
No.4 学びの竜巻
No.5  知のワクワク!
No.7 まずはつかる
No.8 「まねぶ」ことから
No.10 身体で覚える
No.12 言語のシャワー
No.13 アウトプットから始まる学び
No.19 フロンティアアンテナ
No.22 右脳と左脳のスイッチ
No.23 鳥の眼と虫の眼
No.27 捨てる勇気
No.29 「はなす」ことでわかる
No.32 外国語の普段使い
No.34 魅せる力
No.35 「書き上げた」は道半ば
No.37 セルフプロデュース
No.38 断固たる決意
No.39 突き抜ける

Presentation Pattern 12個
1. メインメッセージ
2. 心に響くプレゼント
3. 成功のイメージ
4. ストーリーライン
5. ことば探し
6. 図のチカラ
8. 驚きの展開
17. 表現のいいとこどり
24. 自信感の構築
26. 最善努力
31. 独自性の追求
33. 生き方の創造

3.体験の判断
井庭先生がピックアップした項目について、具体的にどういうことなのか説明があります。
それを踏まえて、自分がそれを体験しており、人に話せるな、と思うものは○、
そうでないものには×をつけます。
3.体験の共有
○×をつけたら、周りの人(3人以上)と集まって、自分が×で相手が○の項目があれば、どういう経験かを話してもらいます。逆の立場であれば、相手に自分の体験を話す。1つのグループ内で全てを終わらせるのではなく、ある程度時間が経ったらまた別のグループに行って、同じように話し合う

これはSFCの授業でも行っているそうですが、いつも好評のようです。今回参加した自分でもはじめて会う人達と実体験を共有しあいましたが、とても充実した時間を過ごせました。今回の参加者は20名ほどでしたが、50名位いるともっと良いWorkshopになるようです。

このようなWorkshopの良い所は、未経験のものがあれば、相手からの体験を聞くことで、こういう経験をすればよいのか、ということがわかります。勿論、完璧に同じことは出来るわけではありませんが、自分の今のキャリアでやるとしたらどうすればよいのだろう。と云うことを考えることが出来ます。
一方、自分が既に経験したものであっても、他の人のこういう経験もあるのだな、という刺激を受けますし、もし相手が持っていないものであれば、相手が理解できるように分かりやすく説明しようという意識が働きます。そして、なにより自分と他者がお互いの経験を共有し、補い合えるので、参加者も能動的に進められる点が良いなという印象を持ちました。

●その他気になったこと(井庭先生からのメッセージ)

・Learning Pattern &Presentation Pattern は教典ではなくあくまで「きっかけ」ととらえて欲しい。(数年後同じように作っても違うものになるだろう)

サバティカルでMITに留学して、英語で伝えることの難しさを実感した。そして、発音(アクセント、イントネーション)の重要さに気づいた。発音については人によっては気にしなくてもいいという意見があるが、出来たほうが会話がスムーズに進む。