ソーシャルネットワーク

昨日東京国際映画祭の特別招待作品「ソーシャルネットワーク」原題「The Social Network」を見てきました。

日本公開は来年の1月です。まだ時間があるので、興味のある方はこちらを見ておくと、より楽しめるかと思います。

映画「ソーシャル・ネットワーク」を見る前に予習をおすすめするものたち

映画の内容について簡単に言うと、Facebookが生まれてから100万人の会員数を獲得するまでの話です。しかし、その過程で訴訟が生まれ、それに対するやり取りをしながら現在と過去を行き来していきます。

日本ではまだあまりなじみのないFacebookですが、既に世界には5億人の会員数がいるといわれています。Facebookが運営を始めたのは2004年。短期間にこれだけの会員数を集めたのですから、一見すればサクセスストーリーの映画と捕らえられるかもしれません。

既に公開されているアメリカでは全米1位になるほどの人気が出ているようですが、”見る人によって、この映画の感想に差が出てくるのではないか”と思う部分があったので、感想の差異が生まれるかと思われるポイントを3点挙げてみます。

1.Facebookが出来たきっかけ
映画ではFacebookが生まれるきっかけとなる出来事について書いています。それは、主人公からすれば酒に酔って行ったことですが、見る人によっては(特に女性)、この出来事に少々興ざめをしてしまうかもしれません。

こちらは以下の映画紹介でも簡単に触れられています。
TBS RADIO 2010年10月22日(金) 映画評論家 町山智浩さん - 小島慶子 キラ☆キラ

2.アイデアを形にする
映画の中の一つのキーワードとなる問題です。詳細についてはネタばれになりますので控えますが、「何」が「誰のもの」かを見て行くと、主人公の評価は分かれることになりそうです。

3.金か友情か
会社を成長させるためには資金が必要です。しかし、その過程をめぐって主人公の協力者と友人の間で対立が生じます。気心が知れているのは友人ですが、会社の成長を考えたときに、「どちらの考えが優れているか」そして、「何を見て行動しているか」によって、主人公は判断します。

感想の分かれ目について気づいた所を3点挙げました。

これらを踏まえて主人公に嫌悪感を抱くと考えられる人はどういう人なのかを考えてみたいと思います。
1.Facebookが生まれたきっかけ:女性と学歴にコンプレックスを抱いている方。主人公が悪気なく行ってしまう部分も非難の的になるかもしれません。

2.アイデアを形にする:これは研究開発に関わる方には納得がいくかもしれませんが、いくらアイデアが頭の中にあっても、競合に先を越されて形に出されると言い訳は出来ません。今回のケースは競合との争いとは異なるケースかもしれませんが、「弱肉強食の世界」と聞いて?が浮かんでしまう方にとっては、ずるいのではないかと言う不満の声が聞こえてきそうです。

3.金か友情か:単純に友情と金を天秤にかけているわけではありませんが、友情は全てにおいて優先されると考える人にとっては、不満に思うかもしれません。ただ、主人公自身も苦渋の判断だったのではないかと思います。

と、少し過激なことも書きましたが、このようなことを書くと、主人公に嫌悪感を抱く方もいるかもしれません。ただ、私が映画を見た限りでは、監督David Fincherは主人公Mark Zuckerbergを感情のある人間として扱っているように見えました。それは、映画の始まりや終わりだけではなく、何箇所にもちりばめられています。3.金か友情かについても、主人公の心情を表すシーンが出てきます。


映画の予告編を見ると主人公の雰囲気がなんとなく見えてくるかと思います。早口でまくし立てる主人公。不器用な部分も見えてきます。

友人、彼女、協力者とのやり取り。彼らがいなければ彼は決してここまで登りつめることが出来なかった。ことが明らかになります。人との出会いが主人公そしてfacebook自身のターニングポイントになっています。

人により評価が分かれることもあるかもしれませんが、ヒューマンドラマとして楽しめる映画だと思います。